マンション法の建替決議『所有者同意4分の3』以上に緩和?

マンション建替緩和を含めた法制審議会で老朽化した分譲マンションの建て替えを促進する内容がまとめられて、2024年1月の通常国会での成立が進められる感じです

法律が通れば今後マンション建替えが進んでいくと思われます

築40年以上の老朽化マンションの場合は水回りの劣化や耐震問題、バリアフリー問題など数々の問題点はありますが、終の棲家として購入した分譲マンションが建て替え費用が出せない場合はマンションから追われる可能性もあります

目次

2024年のマンション法の改正は

2024年のマンション法の改正は
2024年のマンション法の改正は

建替え決議が所有者の同意『5分の4』以上から『4分の3』以上に変更

世帯数現行マンション法改正マンション法
20世帯16世帯以上15世帯以上
30世帯24世帯以上23世帯以上
50世帯40世帯以上38世帯以上
100世帯80世帯以上75世帯以上
200世帯160世帯以上150世帯以上

大規模なマンションになればなるほど、必要な世帯数が少なくなる為にインパクトが大きい改正案になります

バリアフリー化の修繕『4分の3』以上から『3分の2』以上に変更

世帯数現行マンション法改正マンション法
20世帯15世帯以上14世帯以上
30世帯23世帯以上20世帯以上
50世帯38世帯以上34世帯以上
100世帯75世帯以上67世帯以上
200世帯150世帯以上134世帯以上

バリアーフリー化へのマンションの議決は特に大きく変化したようです

大規模災害の被災マンション法で取り壊す為の同意『5分の4』以上から『3分の2』以上に変更

世帯数現行マンション法改正マンション法
20世帯16世帯以上14世帯以上
30世帯24世帯以上20世帯以上
50世帯40世帯以上34世帯以上
100世帯80世帯以上67世帯以上
200世帯160世帯以上134世帯以上

被災マンションの取り壊し要件も大きく緩和されています

2つの老い問題

2つの老い問題
2つの老い問題

建て替え費用1,000万円~2,000万円が工面できない老齢世帯

老朽化しているマンションほど所有者の年齢も高くなりやすいです

そのため、老朽化しているマンションほど建替えはすすみません

建替えするには一戸当たり1,000万円~2,000万円という試算もあります

年金暮らしになった場合は新たにローンを組むのも難しいという事になります

建物の老朽化

築40年~50年になっているマンションの場合は配管などもコンクリートの中に埋められている事があり、スラブという建物の構造部分と一体になっているために一旦水漏れなど起きた場合の費用はかなりの額になります

保険で賄えない場合は自己負担になり大きな出費になります

耐震性が低い

大震災の度に建築基準法が改正され、壁の量やバランスなどの耐震性がアップしているという歴史があります

古いマンションの場合は旧耐震という震度6程度でも崩壊する恐れのある設計で建てられたものが多いです

建物の面積が少なくなる可能性

既存不適格物件
既存不適格物件

既存不適格物件が多い

土地には建てられる大きさが地域ごとに決められています

時代とともに建てられる建物が小さくなり、過去に建築されたマンションは現在の建築基準法には違反する既存不適格物件ということになります

もし、建て替える場合は法律に基づく大きさの建物しか建てる事ができません

建替え後、部屋が小さくなるということもあります

まとめ

区分所有法(マンション法)ではマンションを維持管理、トラブル防止の側面で長い間影響がありました

今回の2024年マンション法の改正は大きくマンションの慣例が変わってくる大きな出来後になると思われます

建物と所有者の2つの老い問題にインパクトを与える法律ですが、老後住む家がなくなるという問題もあります

今月には法律改正されるだろうと思います

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この記事を書いた人

マチ不動産株式会社代表。神戸市東灘区出身。中堅マンションディベロッパーで新築マンションの販売・収益不動産の取引、仲介不動産の所長を経験後、2007年8月に独立開業して現職に至る

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