不動産取引において、仲介手数料の「両手」や「囲い込み」という言葉を聞いた事はあるでしょうか?
聞き慣れないという人が多いと思いますが、不動産業者の利益が優先されるため、売主や買主にとって良い影響はありません。
そこで今回は、仲介手数料の両手や囲い込みとは?というテーマで、不動産の悪習について解説していきたいと思います。
仲介手数料の両手とは?
ではまず、仲介手数料の両手とはどのような事なのかを解説していきましょう。
仲介手数料の両手とは、1社の不動産会社が売主と買主の双方の仲介を行う事で、両方から仲介手数料を受け取る事を指します。
仲介手数料は成功報酬なので、このような形態で仲介を行えば、不動産会社としては多くの収入を得られる事になるのです。
不動産の囲い込みとは?
では次に、不動産の囲い込みとはどのような事なのかを解説いていきたいと思います。
不動産の囲い込みとは、不動産会社が売主から売却の依頼を受けた物件を、他の不動産会社に取り扱わせないようにする行為の事を指します。
より多くの収入を得ることが出来る両手を目指すために、自分の会社だけで物件を独り占めしようとする行為の事なのです。
仲介手数料の両手や囲い込み業者の見分け方とは?
では次に、仲介手数料の両手や囲い込み業者の見分け方について解説していきましょう。
REINS登録状況を確認する
まず1つ目は、REINS登録状況を確認するという事です。
専属専任媒介契約や専任媒介契約では、不動産指定流通機構(REINS)への登録義務があります。
ここに登録している不動産会社には、登録番号が与えられていて、確認サイトで登録番号を入力すると売主は掲載内容を確認出来る仕組みになっています。
小まめに報告をしてもらう
2つ目は、小まめに報告をもらうという事です。
専属専任媒介契約の場合は1週間に1度、専任媒介契約の場合は2週間に1度、売主への営業活動の報告をする義務があります。
そのため、小まめに営業活動がどのように行われているのかを、報告してもらうようにしましょう。
担当者選びは慎重に
そして3つ目は、担当者選びは慎重にという事です。
信頼できる担当者とは、募集方法などの具体的な話を聞けたり、二人三脚で売却活動を行う事が出来る人の事を指します。
そのため、まずは販売活動や広告宣伝の方法などを聞いても、気持ちよく対応してもらえるかをチェックしてみると良いでしょう。
両手と囲い込みは不動産の悪習?
それでは最後に、両手と囲い込みは不動産の悪習なのか?という点について見ていきましょう。
実は、両手自体は絶対的に悪いというわけではありません。
不動産会社の営業努力によって、売主からの依頼を受け、直接買主を見つけて取引に結びつける事は、不動産会社にとって大きな収入となりますが、営業努力によって獲得した依頼なので問題はありません。
一方で、両手を目的とした囲い込みが行われるケースがあり、こちらは問題があると言えます。
宅建業法では、売主が不動産会社に仲介を依頼する際は、3種類の媒介契約から選ぶ事になります。
3つの様式がある中で、特に囲い込みが起きやすいのが、「専属専任媒介契約」と「専任媒介契約」です。
売却を専任で依頼するという形の場合、より早くそしてより高く売れるようにするために、積極的な営業活動を宅建業法では定めています。
しかし、悪習として囲い込みが行われている場合、他の不動産会社に売り物件の情報を開示しなかったり、他の業者からの問い合わせを止めていたりするのです。
このような行為は、不動産の悪習と言えるでしょう。
まとめ
さて今回は、仲介手数料の両手や囲い込みとは?不動産の悪習というテーマで、詳しく解説してみました。
不動産取引では、仲介業者からの情報が全てという風になりがちなので、不動産会社に有利な形での進め方になってしまうケースも少なからずあります。
しかし、本来不動産取引は、双方にとって満足のいく結果になることが理想ですので、事前にしっかりと両手や囲い込みを行っている業者を見分ける事も重要です。
これから、不動産取引を行おうとしている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。