不動産を売却した時に地域によって慣習があります
よく言われるのが
起算日
- 関東圏は1月1日
- 関西圏は4月1日
この起算日が違うことで売主と買主に損得が生まれることはご存じでしょうか?
起算日が違う事で負担すべき固定資産税と都市計画税が変わってきます
固定資産税・都市計画税とは?
固定資産税・都市計画税はもちろん所有者が支払いますが、1月1日の所有者が4月1日~翌年の3月末までの1年間の税金を支払う義務があります
そのため、1月1日が所有者でなければ税金を支払うことはありません
固定資産税と都市計画税はそれぞれの役所から請求がきます
- 固定資産税は市町村から請求
- 都市計画税は都道府県から請求
が毎年行われます
不動産の取引に関係なく、1月1日の所有者に毎年4月1日~3月末までの税金を支払う義務がでてきます
不動産売買では買主から売主に日割で支払う
不動産売買では1月1日に所有者であった売主にすべての税金が請求されます
そのために日割で計算しますが、税金の計算方法が関東圏エリアと関西圏エリアで大きく違います
固定資産税都市計画税は支払い対象期間が4月1日~翌年3月末までになります
関西圏は起算日が4月1日になるために税金の支払い義務との関係が一致していますが、関東圏の場合は1月1日~3月末までの税金を買主が負担しない特殊な状況が生まれてしまいます
関東と関西の起算日なぜ違う?
関東方式は買主有利・関西方式では売主有利
11月1日に不動産を引き渡した場合にどちらも12月31日までは同じですが、翌年度の固定資産税と都市計画税の負担が変わるということになります
起算日が関東の場合は1月1日~12月31日になるので、翌年度の1月1日~3月31日分の3ヶ月分が売主負担になるので買主が有利です
買主が翌年度の1月1日~3月31日分の3ヶ月分住んでいるにもかかわらず、税金は売主ということになります
逆に関西方式では4月1日~3月31日の期間になるため、翌年度の1月1日~3月31日分の3ヶ月分が買主負担になるので売主が有利です
関西と関東の慣習の違い
関西人は商売気質、関東は江戸っ子気質という違いがこの取引の慣習の違いということになります
関西人の商売気質は役所の税のシステムに合わせた論理的システムだと言えます
税金は1月1日の所有者に税負担の責任がきますが、支払い時期にタイムラグがあり、4月1日より支払が始まります
それに対して江戸っ子は年の終わりは12月31日としているためです
関東方式の問題点
関東方式で手続きをすると4月1日に税改革が行われると、取引が終わったにもかかわらず税率の計算をし直す必要があります
関東方式は役所の税のシステムとどうしても違うものになる為に、修正が必要という事になります
関西人と関東人の取引が特に注意が必要
関東方式と関西方式とシステムが違うために関西人と関東人が不動産取引をするときにあらかじめ税負担を関西方式にするのか関東方式にするのかの話合いが必要です
決済の時に困ることになります
関東方式と関西方式の境界は名古屋
名古屋は関西方式を取っているために、中間点は名古屋より東ということになります
まとめ
固定資産税・都市計画税は役所の請求でみると、1月1日の所有者に4月1日~翌年3月末までの税金がかかります
関西圏で不動産取引を行うと4月1日を起算日にするので、売主の所有期間に発生した税金は売主負担になりますが、関東圏で取引した場合はなぜか3ヶ月分(1月1日~3月末)までの税金は売主が支払う計算になります
不動産慣習ということでなかなか理解できないものもあります