賃貸物件などで、良く目にする事が多いプレキャストコンクリート造という言葉。
見る機会は多くても、実際にどのような建物の事を指しているのか、分からないという人も多いでしょう。
そこで今回は、プレキャストコンクリート造の特徴や工法などについて詳しく解説していきたいと思います。
プレキャストコンクリート造の特徴
それでは早速、プレキャストコンクリート造の特徴を見ていきたいと思います。
ここでは、大きく分けて4つの特徴を挙げて説明していきます。
工場で製造する
まず1つ目の特徴は、工場で製造するという事です。
通常のコンクリート造は、職人が現場で製造しますが、プレキャストコンクリート造は工場で製造するという特徴があります。
防音性や耐火性に優れている
2つ目の特徴は、防音性や耐火性に優れているという事です。
プレキャストコンクリート造は、一定の品質のコンクリートで造られるので防音性に優れており、高温でも変形する心配がないので耐火性にも優れています。
火事で炎があがっている場合でも、燃え広がる事がないので賃貸などでは多いタイプと言えます。
耐震性に優れている
3つ目の特徴は、耐震性に優れているという事です。
プレキャストコンクリート造は、地震の際に建物全体の揺れを最小限に抑える働きがあり、地震に強い構造と言えます。
規格外の形は作りづらい
4つ目の特徴としては、規格外の形は作りづらいという事です。
プレキャストコンクリート造は、職人が一から作るのではなく工場で製造されるため、直線的な形になりやすいという特徴があり、曲線があるようなデザインなど規格外の形は作りづらいという特徴があります。
プレキャストコンクリート造の工法
では次に、プレキャストコンクリート造の工法について解説していきましょう。
まずは、工場で規格ごとの型枠セットが組まれてそこにコンクリートを流し製造していきます。
そして、完成したコンクリートが基準に合っているか品質検査を行い、検査を通ると保管されます。
現場からの発注で運び込まれ、現地で部材同士が組み立てられていき建物が完成します。
コンクリート造との違いとは?
では次に、RCと呼ばれるコンクリート造との違いについて解説していきたいと思います。
そもそもプレキャストコンクリート造は、RC造(コンクリート造)の中に含まれている構造の事を指します。
コンクリート造とプレキャストコンクリート造の大きな違いとしては、鉄筋コンクリートを製造する場所です。
コンクリート造では、現場で職人が様々な工程の中でコンクリートを打設し、養生させて少しずつ作っていきますが、プレキャストコンクリート造では機械を用いて、工場で現場で使うコンクリートが作られます。
プレキャストコンクリート造は、同じ規格のものを正確に作り出す事を得意としているので、決まった形のマンションやアパートなどの建築の際に用いられる事が多いです。
一方コンクリート造は、自由に色々な要望に沿った形を作り出す事が出来るため、有名な建築家が作る家などは基本的にコンクリート造が採用されます。
プレキャストコンクリート造の建物が増えている理由
それでは最後に、プレキャストコンクリート造の建物が増えている理由について解説していきたいと思います。
短期工期が可能だから
まず1つ目は、短期工期が可能だからという理由です。
プレキャストコンクリート造は、通常の工法のように現場でのコンクリートの養生が必要ありません。
従来の工法では、天候などによってコンクリートを流し込むタイミングなどが左右されたため、工期が大幅に長引くケースもありました。
しかし、プレキャストコンクリート造は天候によってタイミングを図る必要がないので、計画的に工事を進める事ができ短期工期が可能となるので採用されるケースが多いのです。
品質が一定だから
2つ目は、品質が一定だからという理由です。
プレキャストコンクリート造は、現場での不安定な養生が必要ないので高い品質を均一化する事が出来ます。
組み立てなどでも合わない事がなく、正確に工事を進める事が出来るので建物を建築する際に採用される事が多いのです。
人件費を削る事が出来るから
そして3つ目は、人件費を削る事が出来るからという理由です。
プレキャストコンクリート造は、現場でのコンクリート打設などが不要なので少ない作業員で工事を進める事ができ、人件費を大幅に削る事ができるため建築の際に採用される事が多いのです。
まとめ
さて今回は、プレキャストコンクリート造の特徴や工法などについて詳しく解説してみました。
プレキャストコンクリート造は、建物の構造だけでなく工事を行う際のメリットも多い事から、建築の現場では採用される事が多いタイプとも言えます。
従来のコンクリート造では実現が難しかった部分も、プレキャストコンクリート造で工事が進めやすくなるという事が分かりましたね。