現在、不動産業界では事業承継の重要性が注目されてきています。
後継者不足は、業種を問わず共通する問題点でもありますが、特に不動産業界では深刻な問題となっているのです。
そこで今回は、そんな不動産会社の事業承継とは?というテーマで、内容や成功させるポイントなどを詳しく解説していきたいと思います。
事業承継とは?
それではまず、そもそも事業承継とは?という点から解説していきましょう。
事業承継とは、経営する会社を後継者に引継ぐ行為の事を指します。
日本では、経営者の高齢化が進んでいて、多くの企業などでは代替わりの時期を迎えており、事業承継の重要性が高まってきているのです。
不動産会社が抱える事業承継問題
それでは次に、不動産会社が抱える事業承継問題について解説していきましょう。
近年、業務の効率性が悪い不動産業界では、生き残る事が年々難しくなってきており、中小企業が主な担い手だった不動産業が最近では大手不動産業者の勢力が大きくなってきています。
そのような中、大企業の傘下に入る中小不動産業者が増加しており、ますます事業承継問題は深刻化しているのです。
それと共に、経営者の高齢化が追い打ちをかけ、第三者に事業承継するケースも少なくないのが現状です。
不動産業界にとって、事業承継問題は早急に解決したい問題と言えるでしょう。
見出し3、不動産会社の事業承継で引き継ぐ資産とは?
それでは次に、不動産会社の事業承継で引き継ぐ資産はどのようなものなのかを解説していきたいと思います。
有形資産
まずは、有形資産から見ていきましょう。
有形資産として事業承継で引き継ぐものは、自社株です。
そして、不動産会社の事業承継では、不動産の引継ぎも重要です。
さらに、事業承継では現金も引き継ぎます。
現金は、事業をまわすための資金として非常に重要なもので、資金が多いほど事業承継後の経営が安定する事になります。
無形資産
次に、無形資産を見ていきましょう。
1つ目としては、「顧客サポート」です。
近年、不動産に関する包括的なサポートの需要は高まっていて、中小不動産業者が生き残るためには顧客サポートの充実が非常に重要です。
そのため、事業承継の際にこの部分を強化し引き継ぐ事で、信用へと繋げる事が出来ます。
2つ目としては、「自社独自の物件」です。
不動産業で、最も差別化するべき部分が物件で、競争力のある自社独自の物件を持っていると事業承継後の経営が成功しやすいのです。
3つ目としては、「担保力」です。
担保力は、金融機関などから融資を受ける際に、非常に威力を発揮する部分で、物件の収益力や会社経営の信用力が有利な融資条件を引き出す事に繋がります。
不動産会社の事業承継を成功させるためのポイント
それでは最後に、不動産会社の事業承継を成功させるためのポイントについて解説していきたいと思います。
後継者の教育
まず1つ目は、後継者の教育です。
不動産業界に限らずではありますが、やはり事業承継を成功させるためには後継者の教育に力を注ぐ必要があります。
自社の不動産事業に関する専門知識や、実務経験などの教育はもちろん、多額の現金が動く業界で経営を担う意欲や覚悟を自覚する事も重要です。
また、顧客とのコミュニケーションや運営状況の理解など、事業承継後の会社の維持に必要な知識を伝える事が大切です。
相続時のトラブル対策
2つ目は、相続時のトラブル対策です。
事業承継では、相続時のトラブルが起きやすいと言われており、特に不動産業の事業承継ではトラブルが発生しやすいとされています。
これは、財産の多くが後継者に集中しがちだからです。
こうしたトラブルを回避するためには、相続財産を「事業用資産」と「個人資産」に分けるなどの対策が重要になってきます。
円滑な不動産会社の事業承継を行うためには、相続の公平さにも目を向ける必要があるのです。
税金問題
そして3つ目は、税金問題です。
多数の不動産や土地を持っている場合、相続税の負担が大きくなります。
現金化出来ないにもかかわらず、高額な税金がかかるケースもあり節税対策も重要になってきます。
不動産の節税対策の1つである「評価額の見直し」や、事業承継税制、生命保険の活用などで相続税を抑える対策を行いましょう。
まとめ
さて今回は、不動産会社の事業承継とは?というテーマで、内容や成功させるポイントなどを詳しく解説してみました。
事業承継は、不動産業界だけに関わらず、成功させるのは非常に難しい部分と言えます。
後継者への教育など、事前にしっかりと準備をしないといけません。
今回は、事業承継を成功させるためのポイントもご紹介しましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。