土地の履歴の調べ方とは?方法や費用なども解説します!

土地の履歴の調べ方

土地や建物の売買をする際には、売主業者や媒介業者から渡される登記事項証明書の中の「地目」という欄をしっかり確認する必要があります。

地目とは、その土地の用途を分類している欄で、地目を遡ってみるとその土地の歴史を知る事が出来ます。

しかし売買契約において、媒介業者が地目までしっかり調べる義務はなく、地目に関して何らかの問題が発覚しても責任を追及できないケースが多いのです。

そこで今回は、土地の履歴の調べ方というテーマで、売買契約において重要な項目となる地目を調べる方法や費用などについて解説していきたいと思います。

目次

土地の履歴を調べる目的とは?

それではまず、なぜ土地の履歴を調べるのか?という点から解説していきましょう。

土壌汚染がないか調べるため

まず1つ目は、土壌汚染がないかを調べるためです。

例えば、もともと薬品関係の工場があった場合や、ガソリンスタンドがあったような場合は土壌汚染の可能性があります。

そのため、土壌のサンプルを採取して土地の履歴を調べると、詳しい土壌の状態を確認する事が出来ます。

土地の売買をする際は、そのような土壌汚染の除去を行ってから取引を進めることが出来るので、必要な調査と言えます。

地下埋没物の有無を調べるため

2つ目は、地下埋没物の有無を調べるためです。

先ほどの例で言うと、その土地にガソリンスタンドがあったような場合は、地下に貯蔵タンクが埋まったままというケースもあります。

このような埋没物を確認しないまま、土地売買などの取引を進めると後でトラブルの原因になるので確認しておく事が大切です。

水害の危険性の有無を調べるため

3つ目は、水害の危険性の有無を調べるためです。

その土地が、田んぼや畑だった場合には地盤が弱い可能性があります。

そのような土地では、水害の危険性が高くなる傾向があるので、しっかり調べておく必要があるのです。

墓地や工場の跡地かどうかを調べるため

そして4つ目は、墓地や工場の跡地かどうかを調べるためです。

例えば、その土地が昔墓地だったような場合、人によっては心理的な抵抗がある可能性がありますよね。

そのような土地だった場合、土地の取引を避けるケースもあるので、調べておく必要があるのです。

土地の履歴の具体的な調べ方

それでは次に、土地の履歴の具体的な調べ方について解説していきたいと思います。

登記簿を調べる

まず1つ目は、登記簿を調べるという方法です。

登記簿には、過去の土地の用途が分かる「地目」を確認できますし、所有者名から用途を推測する事も可能です。

また、現在はない建物の「閉鎖登記簿」を確認して用途を調べる事も出来ます。

古い地図や過去の航空写真を調べる

2つ目は、古い地図や過去の航空写真を調べるという方法です。

古い地図には、昔の建物の有無や会社名などが記載されている事が多いので、土地の履歴を調べることが出来ます。

周辺の住人へ聞く

3つ目は、周辺の住人へ聞くという方法です。

その土地の前の所有者や、周辺に昔から住んでいるような人に聞くというのも有力な情報を得られる方法です。

工場などの届け出を調べる

そして4つ目は、工場などの届け出を調べるという方法です。

「土壌汚染対策法」や「下水道法」などの届け出を調べると、その土地で汚染物質を扱っていたかどうかを調べることが出来ます。

土地の履歴調査を専門家に依頼した時の費用

では次に、土地の履歴調査を専門家に依頼した時の費用について解説していきたいと思います。

土地の履歴は、自分でも調べることが可能ですが、より詳しく調べたい場合は専門家に依頼した方が良いケースもあります。

ここでは、そのような時に必要になる費用を解説します。

おおよその費用は、下記の通りになります。

  • 過去の地図や航空写真のみの調査:年代により1~2万円程度
  • 登記簿も含めた履歴調査:3万円から
  • 履歴調査と都市計画法、道路種別、インフラ等の不動産情報も含めた調査:5万円から

依頼する業者によって費用は異なりますが、土地の履歴のみの調査は取り扱っていない所も多いので、事前にどのような調査を希望しているのかを伝えてみるとスムーズでしょう。

土地の履歴を依頼する業者とは?

それでは最後に、土地の履歴を調べるのに、依頼出来る業者はどのようなものがあるのかを解説していきましょう。

土壌汚染調査の専門家に依頼する

土地の土壌汚染リスクが高い場合は、土壌汚染調査の専門家に依頼すると良いでしょう。

環境省のホームページには、土壌汚染対策法に基づく指定調査機関が載っています。

地積や現地調査の有無などで費用が異なるので、見積もりを依頼した時に詳しく確認するようにしましょう。

不動産会社に依頼する

調べたい土地の売買を検討している場合は、不動産会社に依頼すると良いでしょう。

土地の売買契約を締結する際には、重要事項説明で土地の履歴もある程度説明してもらえるケースが多いです。

不動産鑑定士に依頼する

本格的な調査ではなく、簡易的に調べる場合は不動産鑑定士に依頼するのも1つの方法です。

不動産鑑定士は、土地の履歴を調査するノウハウを持っていて、土地の鑑定評価を行う際は土地の履歴調査も行う専門家です。

まとめ

さて今回は、土地の履歴の調べ方とは?というテーマで、方法や費用なども併せて解説してみました。

土地の履歴は、様々な資料を基に調べないと表面的には分からないケースもあり、過去に遡って調べる必要があります。

その土地を売買する場合は、さらに土壌汚染などの専門的な調査も必要になります。

今回は、おおよその費用などもご紹介しましたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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この記事を書いた人

マチ不動産株式会社代表。神戸市東灘区出身。中堅マンションディベロッパーで新築マンションの販売・収益不動産の取引、仲介不動産の所長を経験後、2007年8月に独立開業して現職に至る

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