借家人賠償責任補償と個人賠償責任補償の違いとは?内容について詳しく解説します!

賃貸住宅を借りる際、多くの場合火災保険に加入しますよね。

しかし、火災保険には「借家人賠償責任補償」「個人賠償責任補償」の2種類がある事をご存知でしょうか?

この2つは、それぞれ特徴があり発生したトラブルに対して対応できる範囲が異なります。

そこで今回は、借家人賠償責任補償と個人賠償責任補償の違いについて詳しく解説していきたいと思います。

火災保険の詳しい違いが分からないという人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

目次

借家人賠償責任補償とは?

それでは早速、借家人賠償責任補償から解説していきましょう。

借家人賠償責任補償とは、その物件の大家さんに対する損害賠償責任補償になり、そのための取り決めという事になります。

原状回復義務

まず1つ目は、原状回復義務です。

借家人は、その物件を借りている間は原状回復義務と呼ばれる義務を負う事になります。

賃貸人の故意または過失などによって、借りた時の状態と異なる状態になっているものを回復して返還する義務の事を指します。

しかし、通常の範囲内での使用損耗や物件の経年劣化によるものは原状回復義務には含まれません。

この線引きに関しては、国土交通省の原状回復に関するガイドラインにまとめられています。

不法行為による損害賠償

2つ目は、不法行為による損害賠償です。

これは、民法709条によって「故意または過失によって、他人の権利又は法律上保護される利益を損害した場合、それによって生じた損害を賠償する責任を負う」と定められているものを指します。

債務不履行

そして3つ目は、債務不履行です。

これは、例えば借りている人が家賃を滞納してしまったり、火事などによって物件が消失してしまったような場合に、大家さんが借家人に対して損害賠償請求などの対応をする事が出来るというものです。

個人賠償責任補償とは?

では次に、個人賠償責任補償について解説していきましょう。

個人賠償責任補償とは、日常生活の中で起こる下記のようなものに対して、損害賠償責任が発生した際に備える補償の事を指します。

  • 他人に怪我をさせてしまった
  • 他人の物を壊してしまった
  • 他人の家の窓ガラスを割ってしまった
  • 賃貸で階下に水漏れを起こしてしまったなど

個人賠償責任補償は、日常生活の中で発生しそうな事が対象になっているので、幅広く使えるものですが故意に行った場合に関しては対象外となります。

借家人賠償責任補償と個人賠償責任補償の大きな違いとは?

それでは次に、借家人賠償責任補償と個人賠償責任補償の具体的な大きな違いについて解説していきたいと思います。

借家人賠償責任補償と個人賠償責任補償の大きな違いとしては、「その物件の大家さんに対する補償」と「他人に対する補償」の違いと言えるでしょう。

個人賠償責任補償の場合、その物件に対する補償というよりは他人に対しての補償になりますが、借家人賠償責任補償はその物件に対する補償になります。

この部分が、2つの大きな違いとなっているのです。

借家人賠償責任補償と個人賠償責任補償の違いの事例

それでは最後に、借家人賠償責任補償と個人賠償責任補償の違いを、具体的な事例を挙げて解説していきましょう。

寝たばこによる火事

失火責任法によると、寝たばこによって火事を起こし、隣家に損害を与えてしまった場合賠償しなければならず、これは個人賠償責任補償の対象となります。

洗濯機の排水ホースが外れ、階下に水漏れを起こしてしまった

階下への水漏れ事例は、個人賠償責任補償の対象となります。

また、階下だけでなく自分の部屋の床などにも損害を与えてしまう事になるので、大家さんに対する借家人賠償責任補償に対象にもなります。

このようなケースのように、どちらか一方ではなく「借家人賠償責任補償」と「個人賠償責任補償」の2つが対象になるケースもあるため、火災保険では両方付帯しておくと安心ですね。

まとめ

さて今回は、借家人賠償責任補償と個人賠償責任補償の違いとは?というテーマで、内容など詳しく解説してみました。

賃貸住宅は、住んでいる間は大家さんからどの部屋を借りているわけですので、万が一トラブルが発生した際の備えとして火災保険は非常に大切なものと言えます。

今回ご紹介した、借家人賠償責任補償と個人賠償責任補償では、対象となるケースが異なるため、それぞれの内容をしっかり確認した上で加入しておくと安心ですね。

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この記事を書いた人

マチ不動産株式会社代表。神戸市東灘区出身。中堅マンションディベロッパーで新築マンションの販売・収益不動産の取引、仲介不動産の所長を経験後、2007年8月に独立開業して現職に至る

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