家を解体する時には、必ずお清めをしますよね。
解体工事が無事に完了できるように、神様にお祈りをする儀式で、お祓いと呼ぶ事もあります。
しかし、解体の際に必要なお清めでも、具体的にどのような方法で行えば良いのか、分からないという人も多いと思います。
そこで今回は、家を解体する際のお清めの方法について詳しく解説していきたいと思います。
これから、家を解体する予定のある人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
家を解体する際のお清めの方法
それでは早速、家を解体する際のお清めの方法をご紹介していきましょう。
お清めに必要なもの
まずは、お清めを行う上で用意しておく必要のあるものをご紹介します。
・塩
・1合~3合のお米
・1升以上のお酒
・コップ1杯程度のお水
・尾頭、尾ひれがある魚(種類は何でもOK)
・旬の野菜
・旬の果物
・しいたけなどの乾物
だいたい、上記のようなものがお清めには必要になるので、事前にお清めを依頼する神社に確認しながら準備しておきましょう。
お清めの手順
では次に、お清めがどのような手順で行われるのかを解説していきましょう。
家の解体の際のお清めは、一般的には解体工事が着工する前に行われます。
これを「解体清祓(かいたいきよばらい)」と言い、家を取り壊す前に家を守ってくれていた神様に感謝の気持ちを伝え、解体工事を始めるというものです。
解体清祓の手順は、通常下記のように行われます。
①修祓
②降神
③献饌(けんせん)
④祝詞奏上
⑤清祓
⑥取毀(とりこわ)
⑦玉串奉奠(たまぐしほうてん)
⑧撤饌(てっせん)
⑨昇神
⑩直会
上記のような手順で行われ、だいたいお清め全体の時間は1時間程度となっています。
お清めにかかる時間や作法などは、地域によっても多少異なるので、実際に家を解体する時にお清めを行う際は、地域の習わしに従ってお清めを行う神社としっかり打ち合わせをするようにしましょう。
特にお清めが必要な場面
家の解体で行うお清めの中には、特に別でお清めの儀式が必要な場面があります。
例えば、解体する家がある敷地内に、大きな木があったり、井戸があるような場合です。
樹齢100年以上の木には、精霊が宿っていると言われており、家の解体と共に伐採する場合はその精霊に感謝の気持ちを込めてお清めする必要があります。
また、水の神様が宿っている井戸を、家の解体と共に埋めてしまう場合は、「井戸祓い」というお清めを行い井戸に宿っている神様に感謝の気持ちを伝えます。
このように、家の解体に伴って同じ敷地内にある木や井戸も撤去する場合は、それぞれに合ったお清めも一緒に行うようにします。
家を解体する際に盛り塩をするケースもある
お清めと言うと、「盛り塩」をイメージする人も多いのではないでしょうか?
盛り塩は、もともと家や敷地の四隅に置く事で、あらゆる不運を避けてくれると言われています。
家を解体する場合は、敷地全体の運を上げて幸運が舞い込むようにとの願いを込めて、解体前に家や敷地の四隅に盛り塩を置きます。
しかし、この盛り塩でのお清めは、絶対にしなければならないというわけではなく、願掛けのような意味で家や敷地を守ってくれた神様に感謝を伝える手段として取り入れても良いですよという感じなので、そこまで厳密に行う必要はありません。
お清めをする時に気を付けるべき点
それでは最後に、お清めをする時に気を付けるべき点を挙げていきたいと思います。
お清めの手配は施主が行う
まず1つ目は、お清めの手配は施主が行うという事です。
解体業者は、基本的に家の解体工事のみを請け負っているので、お清めの儀式を行う事は出来ません。
そのため、お清めを行う際は、施主があらかじめ神社などに相談して、お清めの手配をするようにします。
お清めをする時は、家の解体のスケジュールとお清めを行う神社のスケジュールを、うまく合わせる必要があるので、出来るだけ余裕をもってスケジュールを調整するようにしましょう。
盛り塩は適切に処分する
そして2つ目は、盛り塩は適切に処分するという事です。
盛り塩を用いてお清めをした場合は、解体工事が始まる前に適切に廃棄しておく必要があります。
一般的には、お清めに使った塩は、包み紙に包んで自治体の分別方法に従って捨てるのがおすすめです。
もし、ゴミとして処分するのは気が引ける場合は、燃やしてお炊き上げをすると良いでしょう。
まとめ
さて今回は、家を解体する際のお清めの方法について詳しく解説してみました。
長年お世話になった家に感謝の気持ちを伝え、家の解体工事が無事に終われるように、解体工事前のお清めはとても大切な儀式です。
お清めは、解体工事のスケジュールにも組み込まれる儀式なので、施主はスケジュールに余裕をもって神社と解体業者にお清めに関する相談をするようにしましょう。