2024年4月の再エネ特措法(FIT・FIP制度)の改正により、太陽光発電設備の名義変更(認定事業者変更)の手続きが大きく変わりました。
特に10kW以上の屋根設置型太陽光発電では、名義変更の際に「説明会」または「事前周知措置」が必要になるケースがあります。
「屋根の上に設置されているだけだから説明会は不要では?」
と思われる方も多いですが、設備の規模や条件によって必要な手続きが異なります。
この記事では、2026年時点の制度をもとに、屋根設置型太陽光発電の名義変更に必要となる説明会・事前周知措置についてわかりやすく解説します。
屋根設置太陽光発電の名義変更で説明会は必要?
屋根設置型太陽光発電でも、設備の出力によって必要な手続きが異なります。
| 設備規模 | 必要な手続き |
|---|---|
| 10kW未満 | 不要 |
| 10kW以上50kW未満 | 事前周知または現地説明会 |
| 50kW以上 | 現地説明会 |
※設置場所や設備の条件によって異なります。
説明会・事前周知措置が不要となるケース
次のような場合は説明会や事前周知措置は不要です。
屋根設置型でも対象外となる設備
10kW以上の屋根設置型でも、
- 2023年10月以降の屋根設置区分が適用されている設備
- 設備IDの先頭が「6」で始まる設備
については説明会・事前周知措置の対象外となる場合があります。
一方、多くの既存設備は設備IDが「A」から始まるため、説明会または事前周知措置が必要となるケースが多くあります。
設備IDの確認方法
設備IDは資源エネルギー庁のFIT/FIP電子申請システムから確認できます。
住宅用太陽光(10kW未満)
住宅用の10kW未満の太陽光発電は対象外となるため、説明会や事前周知措置は不要です。
10kW〜50kW未満は事前周知?説明会?
10kW以上50kW未満では、
- 現地説明会
- 事前周知措置
のいずれかになります。
どちらになるかは設置場所や周辺環境によって判断されます。
現地説明会が必要となる主なケース
次のような場合には現地説明会が必要です。
- 森林法など各種許可対象区域
- 土砂災害警戒区域
- 景観保全条例など対象区域
- 同一事業者の設備を合算すると50kW以上になる場合
- 周辺地域へ影響が大きいと判断される場合
また、認定事業者の変更(名義変更)も説明会等の対象となる変更に含まれています。
名義変更でも説明会・事前周知措置が必要になる場合
次の変更を行う場合は、変更認定申請前に説明会または事前周知措置が必要です。
- 認定事業者の変更(売買・事業譲渡・相続・会社分割など)
- 密接関係者の変更
- 設置場所の変更
- 出力の増加
- 太陽電池容量の増加
- その他制度上説明会が必要となる変更
なお、説明会や事前周知措置を実施した後は、一定期間を経過してから変更認定申請を行う必要があります。
事前周知措置とは?
事前周知措置とは、設備周辺の住民へ計画内容を周知する手続きです。
対象となる範囲は、
敷地境界線から水平距離100m以内の居住者
になります。
周知方法
次のいずれかで実施します。
- ポスティング
- 戸別訪問による配布
- ホームページへの掲載+回覧板
- ホームページへの掲載+自治体広報
手続きの流れ

① 周辺住民への事前周知
↓
② 一定期間経過後に変更認定申請
↓
③ 審査・認定
名義変更のスケジュールに注意
説明会や事前周知措置が必要な場合は、実施後すぐに申請できるわけではありません。
また、FIT・FIP制度の申請受付期間や必要書類は年度ごとに変更されることがあります。
名義変更を予定している場合は、早めに準備を進め、最新の募集要領や資源エネルギー庁の案内を確認することが重要です。
まとめ
2026年時点でも、屋根設置型太陽光発電の名義変更では、設備の条件によって説明会または事前周知措置が必要になります。
特に10kW以上の設備では、認定事業者の変更(名義変更)が制度の対象となるため、従来のように簡単に名義変更できるとは限りません。
申請前には設備IDや設備区分を確認し、自分の設備が説明会・事前周知措置の対象となるかを確認してから手続きを進めることが大切です。また、制度は毎年度見直される可能性があるため、最新の公募要領や資源エネルギー庁の情報を確認しながら手続きを進めましょう。

設備IDの調べ方は経済産業省資源エネルギー庁のサイトから確認することができます
- 森林法の林地開発許可、宅地造成及び特定盛土等規制法の許可、砂防三法の許可の対象エリア、②土砂災害警戒区域(土砂災害特別警戒区域含む。)又は土石流危険渓流、③条例において、自然環境・景観の保護を目的として、保護エリアを定めている場合にあっては、当該エリアをいいいます
- 出力が10kW未満の太陽光発電事業を言います
- 低圧電源であって、再エネ発電事業の実施場所の敷地境界線からの水平距離が100m以内に、当該事業者と同一の事業者又はその密接関係者が実施する再エネ発電事業の実施場所がある場合において、それら事業に係る電源の出力の合計値が50kW以上となるときは、説明会を開催する必要があります
- 周辺地域等に影響を及ぼす可能性が高いケース
(1)認定申請要件許可(①~⑤)の対象エリア
①森林法10条の2第1項の開発行為の許可が必要なエリア
②宅地造成及び特定盛土等規制法第12条第1項及び第30条第1項の許可並びに宅地造成規制法の一部を改正する法律(令和4年法律第55号)
附則第2条第2項の規定によりなお従前の例によることとされた同法による改正前の宅地造成等規制法第8条第1項本文の許可が必要なエリア
③砂防法第4条第1項(同法第3条において適用する場合を含む。)の規定に基づく制限として行う処分が必要なエリア
④地すべり等防止法第18条第1項及び第42条第1項の許可が必要なエリア
⑤急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律第7条第1項の許可が必要なエリア
(2)土地災害警戒区域(土砂災害特別警戒地域を含む。)又は土石流危険渓流
(3)条例において、自然環境・景観の保護を目的として、保護エリアを定めている場合- 以下の①~⑧の変更を行う際には、変更認定申請の前に説明会・事前周知措置の実施が必要になります。
①認定事業者の変更(事業譲渡、合併、会社分割等を原因とする)
②認定事業者の密接関係者の変更
③発電設備の設置場所の変更
④発電設備の出力を20%以上または50kW以上増加する変更
⑤発電設備の出力を新規認定申請の日または直近で行った説明会等の日のうちいずれか遅い日から起算して、累計で20%以上または50kW以上増加する変更
⑥太陽電池の合計出力を20%以上または50kW以上増加する変更
⑦太陽電池の合計出力を新規認定の日または直近で行った説明会等の日のうちいずれか遅い日から起算して、累計で20%以上または50kW以上増加する変更
⑧説明会の開催を求める事業の範囲に新たに該当することとなる計画変更
説明会や事前周知措置(ポスティングなど)を開催した後の3ヶ月を経過した後に認定申請(本申請)を行ってください。
※3か月未満の場合は周辺住民への説明に対する質疑期間が不十分であると判断します。










